神戸空港国際化のポテンシャル ①伊丹を廃港しよう

神戸空港、悲願の国際化へ そもそもなぜ「国内線だけ」だったのか? 涙なしでは語れない理由があった (msn.com)

 

昨日、神戸空港国際化のニュースが出てきた。俺は関西にとって、とてもポテンシャルの高い出来事であり、これを機に①伊丹空港の廃止➁関空~ポーアイに跨る湾岸部の活性化を断行すべきだとかんがえている。

 

今日の記事は①について、考察します。分量が多くなるので➁はまた今度。

この問題について、①アクセス面➁高さ制限③廃港後のビジョン④需要の

四点から考察する。

 

①アクセス面

アクセスに関してはめちゃ良いかと言えばそうではない。梅田~伊丹空港に行こうとすれば阪急宝塚線に乗り、途中の蛍池大阪モノレールに乗り換える必要があり、合計30分程度はかかるのである。

 

神戸空港関空とのアクセスを比較してみよう。梅田~神戸空港では、三宮まで新快速で20分、そこからポートライナーで18分。乗り換え時間含めて45分程度。

梅田~関空では関空快速で60分前後。しかし、来年度のうめきた駅開業で特急はるかに直接乗れるようになり、45分程度に縮まる。さらに、10年後になにわ筋線が開業するようになると、それが最速38分まで縮まるとされている。

 

 

 

こう見ていくと、伊丹空港は他の二空港に比べてとても良いとは言えないのである。

 

不便をこうむるのは京都や滋賀県民になるか。京都駅~伊丹空港のバスの所要時間は50分程度。京都駅~神戸空港にバスが設置された場合は、90分程度になる。

もしくは今は潰えた、びわこ空港構想を実現しても良いかもしれない。国内線のみの就航で、昔の神戸空港みたいに制限をかけながら運用する方式が良いかも。

 

➁高さ制限

伊丹空港は着陸時に梅田や新大阪エリアを通るため、あの周辺は高さ制限がかけられている。梅田周辺で200メートル、新大阪周辺で100メートル。実際にうめきたの再開発もハルカスや東京ミッドタウンのような超高層ビルは建てられず。新大阪駅に至っては駅前はほとんど何もない。

 

 

この地域には以下のポテンシャルがある。

 

うめきた 再開発

梅田はうめきたのように、街ごと大きく変わる再開発が進行中である。さらに1年後にはうめきた新駅で関空と直結し、海外のビジネスマンが多く来ると予測されている。これは梅田から始まる御堂筋周辺でも同じ。

 

新大阪駅はリニアや北陸新幹線、さらに遠い未来では四国や山陰新幹線の発着駅になると予測され、東京よりさらに大きな新幹線拠点駅となることが予測される。ビジネス拠点として十分に使える。

また、淀川に平行に位置する十三~新大阪~淡路で、淀川水運を利用した再開発などが行われれば、「淀川=汚い」というイメージが払しょくされ、より多くの人に親しまれる場所となるのではないか。

 

あのエリアがもっと活発化することで、莫大な雇用も生まれ、税収が増える。その収入でもっと大阪府で教育とか福祉、医療に予算を回せるのかもしれないのに、そのチャンスを今の現状はまるまる奪っている。

 

③廃港後のビジョン

 

さて、ここでは廃港後のビジョンについて、具体的な施策を考えながら考察していく。

 

維新の会の創業者の橋下さんは、社会問題に対して、自分なりの解決策を「どうやるか」という視点を踏まえながら説明していた。だからこそ他の学者や政治家に比べて話が深いし、面白い。この姿勢をまねていきたい。

 

関空が出来た当時、伊丹廃港後に「町が寂れる!」という声が沸き上がり、その結果、伊丹空港は廃港されることなく現代にいたっている。実際に伊丹開港後、街は寂れたとされるが、しかし、それは伊丹廃港後のビジョンや空港周辺の活性化を行ってこなかった行政の責任だと考えている。

 

昔は伊丹周辺の万博公園千里ニュータウンは衰退の一途をたどっていたが、維新政権になってから、この地域は再開発が進み、大いに盛り上がっている。伊丹に近い万博記念公園エリアはエキスポシティの開業など再開発が相次いで行われており、土日を中心に多くの人でにぎわっている。さらに10~15年後には西日本最大級のアリーナができる予定である。

 

西日本最大級 アリーナ

 

千里ニュータウンでもニュータウン再生が進んでおり、来年の北大阪急行延伸でさらに盛り上がることが予測される。

 

このように、伊丹空港周辺は今、大阪の中でもホットなエリアなりつつある。

 

このホットなエリアで、伊丹空港跡地に魅力的な商業施設を開業すれば、大勢に人が来て、街が寂れるどことか今以上に活性化することは大いに予測できる。

 

さて、ではどうやって伊丹空港跡地を魅力的な、唯一無二の施設とするか?

 

俺は、現存の空港施設を壊さずに、「元空港」の魅力を活かした、日本でも独特な操業施設を作るべきだと考える。

 

似たような取り組みは、名古屋の小牧空港でも行っている。

小牧空港は2005年にセントレアに移管後、便数が大幅に減り、今では発着する飛行機もだいぶ少なくなっている。そこで、空港施設を活かした。「エアポートウォーク名古屋」を開業させ、ユニークな所として話題になっている。

 

 

エアポートウォーク名古屋

これは元国際線ターミナルのチェックインカウンターをそのまま活用した空間になっている。

 

 

フードコート

フードコートの上には、かつての国際線の行き先が記入されている。

 

次に滑走路の利用についてである。

滑走路がなくなった場合、広大な跡地が出現する。

 

そこで、セントレアのような、飛行機関連の大規模展示を行ったらどうだろうか。

 

 

セントレア フライトオブドリームズ

 ボーイング社が出資し、ボーイング787などの展示が行われている。

セントレアボーイングなら、伊丹跡地はエアバスでも良いかもしれない。個人的には二階建てのA380などの展示も行ってほしい。

もしこれが出来たら俺みたいな飛行機マニアがどんどん伊丹跡地に集まってくるだろう(笑)。

 

 

このような感じで、空港施設を利用した街づくりを行ってほしい。

個人的には、伊丹を運営している関西エアポート株式会社がそのまま運営する方式で良いと思う。なぜか。

まず、関西エアポートからすれば、初めての単独商業施設開設になる。商業施設の運営ノウハウが学べる場となり、今後、同社が運営する神戸空港関空のターミナル運営や改修にも役立てるのではないか。

次に、経営の多角化につながる。

さらに、もし飛行機展示場を作る場合は、同社とエアバスボーイングなど、飛行機製造会社とのコネクションが最大限に利用できるようになる。

 

④需要

国際化する神戸空港海上、24時間運営でき、拡張の余地があるのに対し、伊丹は時間制限がかかっている。どちらが多く航空需要に賄えるかは明らかである。

さらに、脱炭素化意識の高まりや新幹線の相次ぐ開通で、国内線の需要は今後減少していくだろう。というか、どんどん国内線は新幹線に任せ、国際線の発着を増やしてほしい。「民間にできることは民間で」を「鉄道にできることは鉄道で」というスローガンに変えてみるか(笑)

 

 

以上、伊丹空港廃港について①アクセス面➁高さ制限③廃港後のビジョン④需要の四点から考察してみた。もし伊丹廃港が実現すれば大阪都心部、郊外部ともに大きく経済活性化が見込まれ、税収等も増えていくだろう。

 

もしかしたら大阪モノレールだけではあのホットな地域の移動需要は満たせないかもしれない。そこで、現状大赤字路線となっている、今里筋線を万博周辺まで伸ばす構想が具体化してくるかもしれない。まあそれはまた今度。